偉い人が言った。料理は科学である、と。切る、焼く、蒸す、煮る……その全ての源は科学であり、そしてそれを使う料理こそ最も身近な実験なのだ。
つまり飯の話ばかりしている自分はその実パーフェクト理系男子なのである!!!!!!
さて、皆さんはもう『ザツザツアイス改良記-濃厚探求-』は読んでくれただろうか。濃厚さを追加しようと前回作った凍ったミルクセーキの反省点はミルク感の欠如であった。故に今回はミルク感を増幅させることを目的とする。

今回のケース、ミルク感を増幅させる方法は二通り考えられる。卵を減らすことか、あるいは牛乳を増やすことだ。
前者を試みるなら、使用する牛乳を増やして原液を増やし、二ケースに分けて凍らせることで原液中の卵の割合を減らすことになるだろう。しかしこれは卵を減らしはしても元々強くはなかったミルク感を増やすことにはならない。それに冷凍庫のスペースだって限りがある。
しかし同じ問題は後者にも起こりうる。一ケースの要領には限りがあり、入る原液には限度がある。一ケースの限界まで牛乳を入れたとて、冷凍庫で放置している間に溢れてしまう可能性もある。
ではどうするか。
何か……何か、方法はないだろうか。
牛乳の容積をそのままに、ミルク感を増幅させる方法が。くどいくらいに増幅させる方法が。本来なら生クリームを使用することでこの問題を解決するのだろうが、普通の家庭に生クリームなんてないし買う余裕もないんだよ!!
何か……
何か、いい方法は……
……
……ハッ!!
蘇だ。
蘇うだ。あの牛乳を煮詰めて作るザ・牛乳消費レシピ。あれを応用すればなんか上手く行き蘇うな気がする!!
『牛乳とマシュマロで作るザツザツアイス-牛乳増幅編-』
材料
牛乳:容器に入れたい量の大体二倍
マシュマロ:適当
卵黄:一つ
用意するのは欲しい量の二倍の牛乳。どうするか? やることは決まっている。
加熱するのだ。
牛乳を煮詰めるのだ。グツグツと煮立たせて、濃く、濃く、濃くしていく。
牛乳のかさが入れた量の半分くらいになったらストップ。出来上がったこの二倍牛乳を容器に移して、マシュマロと卵黄を投入。混ぜる。
うん、何となく色もミルクっぽい。
というわけで冷凍庫にドン!!
……放置したものがこちらになります。
随分、黄色いな……
ちょっと早めに上げたこともあって固さは良い感じ。では実食。
……
……
……美味い。
これあれだ。明治エッセルスーパーカップのバニラ味に大分近い。というかバニラエッセンスあれば完璧にバニラアイスになるわこれ。スーパーカップってエッセルの方が本名らしいね。
とにかく美味い。実に美味い。特に前回から砂糖を足したりはしていないけどミルク分が濃くなったことで十分しっかりとした味になっている。
完璧だ……
遂に……
遂に成し遂げたぞ……!!
というわけで完食である。雑な手順でも、満足の行くアイスが作り上げられた。地味に当サイトで一番の成果なのではないだろうか?
しかしここで疑問にも思う。
……別のフレーバーのアイスは作れないだろうか? と。ミルクアイスとしての完成形に近づいた以上、もうココアアイスや抹茶アイスには転用できないのだろうか?
疑問は尽きない。というか尽きたら書くネタがない。故に探求の旅はまだ終わらないのだ。
これからも戦いは続く……
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