ややねぎ君をはじめて記事にしてから1ヶ月経過した。
今日、彼を処分することに決めた。

まず、とにかく臭い。凄まじい刺激臭がするのだ、主に根っこの方から。何というか、音を立てずに出したオナラのキツい版とでも言おうか、それが水を変える度に襲ってくるのだ。
そして、葉が萎れてきた。前回時点で生えていた葉がどいつもこいつも一気に枯れ、何か新しい葉が一枚凄い勢いで伸びてきたかと思えばやっぱり力を失くしてへたってしまったのだ。葉っぱって自重で折れるんだね。
まあ、これらの理由で、ややねぎ君はもうダメだと判断しました。
最後にややねぎ君を詳しく観察してみる。
まず根っこ。以前はにょきにょきと伸ばしていたはずの長い根も抜け落ち、今では短いものが脇に残っているのみ。なんというか、人間にも通じるものがある。
次に本体。
以前カビが繁殖していたからと思い切り皮を剥いた本体だが、その皮を剥いた本体も徐々に変色してきていた。あの玉ねぎの色は外からの光で作られていたのかな、なんて思わされる。
そして葉。
大きく伸ばし、しかし先端では力なく枯れて垂れ下がる姿は、どこか人間の腕のよう。生きるという意思を感じさせるが、しかし、もう限界を迎えていた。
これが、ややねぎ君の全てである。
やはり自宅でコップで水を与えるだけでは限界があった。あまり収穫も出来ないまま終わってしまうのは心残りだが、しかしこれ以上善くなることも望めまい。
最後に、ややねぎ君を両断してみる。
……根の辺り、本体内部の一部に空洞が見つかった。腐っていた。そして本来なら分厚かった玉ねぎの内部の一枚一枚も今ではミョウガのように薄っぺらだ。
ややねぎ君が限界を迎えた理由は、栄養失調と根腐れだということか。
ややねぎ君を記事にしてから、今日で1ヶ月。記事にすること6回。
彼はよく役に立ってくれた。切られても伸び、剥かれても伸び、生きるという意思の尊さを台所で高らかに叫ぶその姿は、感動もののドラマめいていた。
そして生きようとした彼はいずれ土に還り、また新たな誰かの命の一部になるのだ。万物は流転する。本当の意味で失われる命など、存在しないのだ。
グッバイネッギ。フォーエバーネッギ。
ややねぎ君との共同生活はこれで終わり。これまで我がブログのネタに役立ってくれた君に、名誉一応理系男子メンバーの称号を与えようではないか。え、いらない? そう……
……こんな感じで、葉の生えてきた玉ねぎを育てたら感動的なラストシーンが得られた。
伸びた葉を収穫して料理に使おうとかいうのは諦めた方がいいが。しかしこの感動を味わうという意味では、あなたも一度、機会があったら玉ねぎを育ててもいいかもしれない。
いや、やっぱり勿体ないから普通に美味しく食べた方がいいかもしれない。
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