即位の礼前に投稿間に合った…(汗)。
令和元年10月22日に即位礼正殿の儀が執り行われます!楽しみですね〜!私もテレビでその光景を眺めたいと思っています。ただ祝賀パレードとも言える祝賀御列の儀は台風の影響もあり11月10日に延期なされたようです。被災なされた方の一日も早い復興を祈念しております。
さて、即位礼正殿の儀では高御座(たかみくら)という玉座が用いられます。皇位継承の象徴的存在でもある高御座、現在では今回のような即位の礼だけで用いられる神聖なものなのですが…実は昔この高御座で「やっちまった」天皇がいるのです!その名は花山天皇です!今回は、この花山天皇の高御座でやっちまった話とともに印象的なエピソードをいくつか紹介したいと思ってます(。・ω・)ノ゙
正直この花山天皇という方、エピソード多すぎるんだよなぁ…(汗)
高御座でやっちまったお話
さっそくですが、『水言鈔』(江談抄)の記述を引用しますね。
「花山院御即位之日。於大極殿高座上。(略)先令犯馬内侍給之間。」
花山院=花山天皇
大極殿=即位の礼を行う所
つまり、花山天皇御即位の日に、大極殿の高御座ふりがなたかみくらの上で、「馬内侍」を犯したということです。
「馬内侍」は文徳源氏時明の娘であり、女官です。そのお方を高御座の上で「犯す」
………やっちまってますね
大事な即位という儀礼を行うというのに、まさかの行為です。どこぞのアニマルビデオなのでしょうか?そこに痺れる憧れるぅ!という方!残念でした!高御座に登れるのは現在では天皇皇后両陛下だけです!我々のような一般民衆が登っていい場所ではないですね。また、現代は録画技術やマスコミも発達し、絶対花山天皇みたいなスキャンダルなことは出来ません。よって、花山天皇は未来永劫唯一無二の天皇として語り継がれることでしょう…。
花山法皇が手を出した女性
人を狂わせるのはいつの時代も色恋沙汰ですね。この花山天皇も例外ではなく女性関係の逸話は特に多いこと…花山天皇の御代は2年しかないのですが退位した理由として『栄花物語』では、寵愛した女性が亡くなったためとされております。この花山法皇の特に印象的なのが「中務」という女房についてです。この女性どのような人物かと言うと、「乳母子」です。つまり、乳母の産んだ子供のことですね。小さい頃お世話になった乳母の娘にまで手を出す花山法皇…花山法皇の行動はそれだけでは終わりません。花山法皇はあろうことかこの「中務」の実の娘にまで手を出してしまいます。乳母の娘とそのまた娘に手を出すという暴挙。そしてついにはこの2人とも妊娠させてしまいます…。現代の感覚から考えても異常ですが、もちろん当時においても異常と言っていい事態でした。なんてことを…。
まとめ
花山天皇は
高御座で女官と「やっちまった」
乳母子とその娘とも「やっちまった」
即位の礼で使われる高御座、そこではあるスキャンダラスな出来事が行われていたという逸話と、その天皇にまつわるお話を紹介させていただきました。色恋沙汰以外にもまだまだ花山天皇には色々なエピソードがあるのでまた記事にしたいですね。
少し真面目な話
今回の高御座で「やっちまった」話ですが、正直事実であるかどうかは怪しいというのが本音です。『江談抄』や『古事談』という説話集には登場しますが『小右記』という当時の公家である藤原実資さんの日記では、即位式について詳細が書かれているのに「やっちまう」話は載っていません。変わりに『小右記』では
「玉冠甚重、已可氣上、仍可脱御冠」
意訳:天皇の冠は甚だ重い!もうのぼせそうだ!だから、この冠を脱ごうと思う
ここでは、花山天皇が王冠を嫌がる様子が書かれています。即位の礼が終わっていないのに勝手に王冠を脱ぐ自由さ…すごいですね。これも花山天皇の奇行とされております。しかし、高御座での出来事が書いてない上に他の奇行が書かれている以上、高御座の話は女好きの花山天皇ということで後世に誇張されたり造作されて噂になったものかと思われるわけです。女好きとして、有名になってしまうとあれよこれよと悪いイメージで話が広がってしまいます。煙は火があるからこそ立つものです。みなさんも色恋沙汰にはお気をつけて過ごしてくださいね。
参考文献
『今井源衛著作集 第9巻 花山院と清少納言』 2007 笠間書院
笹川種郎編『資料通覧 小右記1』1915 日本史籍保存會 (リンクは国立図書館サーチ)
江談抄研究会編『江談抄注解〔補訂版〕』1978年、武蔵野書院
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