ラノベ・マンガを通して誰しも一度は疑問に思うだろう。
「なんで主人公はこんなにモテるのか」
最近は最弱/底辺などと称した後に「実は最強でした!」といった作品もあるが、『眼低手高』である嫌味な主人公を除けば、今でも「ごく普通の〜」「平凡な〜」といった自己紹介がよく見られる。
特にラブコメに関しては、そんな平凡な主人公がモテるのだ。特筆した個性があるわけでもない。所謂イケメンであるわけでもない。ヒロイン達はどこに惹かれるというのか。
これはラブコメにおいて平凡な主人公が生まれてから現在に渡っての未解決問題のひとつだ。著者だけでなく読者までも長年この問題に悩まされ続けてきた。
しかし今日、筆者はその答えの一端にたどり着いたのだ。
着想は心理学にあった。
先日、人間行動学という講義にて”快さの諸相”について学習した。その中で『平均顔効果』というものを知った。
6枚の顔写真から1枚を選ぶという実験で、多くの被験者はある写真を選択するといった結果が得られている。被験者には明かされていないが、その顔写真は他5名の顔の合成写真だった。
この実験から不確実状況での意思決定において、少なくとも親近性が重要視されていることが分かる。言ってしまえば「どこかで見たことがある」といった印象は親しみや安心観に変わるのだ。
話を戻すが、『平凡な主人公』もこの親近性のある対象として見られているとは考えられないだろうか。
この持論は『顔』に関してのみであるが、もしかしたら他分野においても平均(=平凡)であることに対して同様の効果が見られるかもしれない。
少なくともヒロイン達は主人公への印象として親近性を覚えるために親しみや愛着を感じ、それが好意の起点となっているのではないか。
だからこそ平凡な主人公はモテるのだ。
昨年放送されたアニメに『私、能力は平均値でって言ったよね!』という作品があったが、この作品が投げかけるのは本問題の解答であったとも考えられる。
以上より『平凡な主人公』への好感度が高いのは必定である。本当に万人に平等な主人公を据えたいならば、『何を取っても中央値の主人公』にしなければならないのだろう。
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