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ビジュアルノベル制作積雲

ノベルゲーム制作って大変だよな…

ビジュアルノベル制作

88IOが(少なくとも僕から見て)誠実な文章を書いてくれたので、僕も同じことをしてみることにする。

なおこの文章を書いたからと言って「妥協してません」と示したいわけではない。ただ制作上いろいろ山積している課題を消化する前に、自分の実直な思いを書き出しておこう、というだけの私的な試みである。

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制作進行として

私積雲はビジュアルノベル「超新星ベテルギウス」の企画者・制作進行・イラストレーターである。

企画の段階はすでに過ぎたので良いとして、制作進行に関しては、自分が想定していたよりも作業量が多いことが分かった。

  • 作業分担
  • スケジュール設定
  • 各メンバーの進捗の把握
  • 各メンバーの要望を聞き、上記の方法を適宜最適化する

あたりが一か月ほどやってみて必要と思われる作業だ。

これらの作業を全く想定していなかったわけではないが、作業「量 」が想定以上に大きかったのが4つ目の最適化のくだりだ。

6月末にGitHubとVScodeの環境導入が済んだことで、環境的な最適化は完了したが、それでも大きな課題となったのはシナリオの修正作業の最適化だった。

当初はGoogleDocmentにクイサレがアップロードした文章に突っ込みを入れ、それを土曜日の会議で吟味する形をとったが、あまりにもメンバー間で修正の方針に関して足並みがそろわず、日付が変わるまでの2時間というタイムリミットを超過することが多くなった。

どのような点で齟齬が起きているかは88IOのほうに書いてあるのでそちらを参照してほしい。

理想形としては全員が作品に関してこれはあり、これはなしという線引きが事前に共有されていて、土曜日の会議ではその範囲内で文章やそれに付随する演出を洗練していくというものだが、前述したように、現状脚本の文体や作者のエゴに関する議論がメインになってしまっている。

この状況は脚本はもちろん、校閲する側にもモチベ低下をもたらしかねない、というかもたらし始めている。

こうなってしまった一因は、おそらく私積雲の思想にある。僕の「校閲」言い換えれば小説や漫画編集者がやってるような編集作業に関する思想だ。それは一言で表すなら、「創作者至上主義」である。

創作者は作品の展開やキャラクターが何を語り、作中でどんな出来事が起こるかをすべて自由に決めることができ、編集者が利益や人気のためにそれを捻じ曲げることはあってはならないというものだ。

こういう考えを持つに至った経緯は極めて単純で、ツイッターに流れる編集者に虐げられて筆を折った創作者の話をよく消化していたからである。

この 「創作至上主義」はノベルゲーの制作進行にあたって残念ながら悪い方向に働いた。6月末の段階で作品の根幹が定まり、さあ齟齬なくテーマに向けてシナリオが進んでいくと予想していた。

しかしながら88IOの指摘するような問題が浮き彫りになり、私積雲の中でも彼の「文体」に関するわからなさが募っていくことになった。

しかしこの「わからなさ」を放置してしまった一因はおそらく、自分の中の「創作者至上主義」が、「文を読めば理解できるだろう・シナリオが進めばおのずとわかるだろう」という楽観論を生み出してしまったからだ、と感じる。

先週8/1の会議ではクイサレ氏に「彼の文体」はどのようなものか言語化してほしいと頼んでみたが、その場では「うーん、感覚で書いているから説明できない」と言われてしまった。

そこで深く追及しなかったのもある意味「創作至上主義」のせいだが、今週末は実務を進めるより、こちらを詰める方針で行きたいと思う。

あとおろそかにしていたスケジューリングも再度設定し、再スタートが切れるようにしたい。

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イラストレーターとして

さっき述べた彼の文体に関する「わからなさ」がキャラクターデザインのモチベ低下につながっている。

キャラクター像が6月末に固まっていたにもかかわらず、それがシナリオを読むうちに不鮮明になってきているのだ。

あと我儘だけど実直な感想を言えば、「キャラクターが描きたいと思えない」のだ。それは彼の文体が不明だから起こるキャラクターの不確定な性格に起因しているのに加え、もっと根本的に、キャラクターに興味が持てないというのがある。

まあ、シナリオライターが悪い、と一言で言ってしまうこと自体が制作進行としてあるまじき行為なので、もっと率直な感想を言えば、描いても承認欲求が満たされないという見立てがつく、というのが大きい。

キャラクター絵はすべて書き上げた直後に上げているが、だれからもリアクションはない。Discordで共有しているがいいねの一つもつかないのだ。

会議中もシナリオはことあるごとに吟味されて称賛されても、キャラクターデザインはうまいなあと一瞬言われて、そのあとは表情が違うとか冷徹なアドバイスが続く。

個人的にはせっかくキャラクター像が固まっているのだから、ここはこのキャラクターらしいとか、かわいいとか、神絵師とか言われたい。ほかの人のモチベはある程度制作進行の僕が担っている面もあるだろうが、自分のモチベにかんしてはこういった他者からの承認欲求でしか満たせない成熟しきっていない精神を持つ僕を、ほめるという形でもう少し助けてほしい。お世辞でもいいから。

褒めて褒めて積雲を調子に乗らせてくれ。そうしたらどんな無茶なお題でも喜んで書くから。

何を描いても無反応が一番辛いです。

概して

心中を吐露するような形になりましたが、結局のところこのように心中を吐露するという手法をとるのは避けて通れない感じがします。

情熱で始まった企画が、その勢いを失ったとき、そして単調な作業の事務的な繰り返しに突入した時、モチベが損なわれ自然消滅に向かうのは避けられないことです。

そうなったとき、今まさにそうですが、大事なのは何よりも実感の吐露だろうと思います。それを共有し、相手を理解すること。耳酸っぱく聞き飽きた言葉ですが、それがモチベを回復する唯一の方法だろうと私積雲は思います。

 

 

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