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ノーラン祭りで『インターステラー』初鑑賞(微ネタバレ有)

日常

大学の期末レポートを提出しきりました。後で祈るだけ。

「これで夏休みだっ」と意気込んだはいいものの既に9月ですよ。特段大きなイベントもないし、10月には後期が始まる。今の自分は講義という盾を失ったので防御力が0、親の視線が痛い。レポート作成中の建前が如何に便利であったことか。

オンライン講義外で精神をすり減らすのも酷なので久しぶりに映画を観に行きました。今年の地域の夏祭りは中止になりましたが、なんとノーラン祭りが開催中。

取り敢えず1回目は『インセプション』。この映画は小学生の時にテレビで観て面白いと感じた記憶がぼんやりと残っていて何処かでもう一度観たいと思っていた作品。小学生にも響くなんて、流石だぜノーラン。ちなみに筆者の好みは日曜洋画劇場とたまに昼に放映してる洋画で形成されてます。

そして先日、友人達と『インターステラー』。公開当時はそれほど映画にハマっていなかったので観ていませんでした。初『インターステラー』。やっぱりノーラン作品はIMAXだよね、ってノリでIMAX鑑賞。とは言ってもIMAXレーザーでの上映は観た経験がないので、一度は都会に足を踏み入れようとは思っています。

筆者の感受性が狂っていなければ、この作品のテーマは「愛」でしょう。家族のために宇宙へ旅立つ家族愛。先に旅立った恋人と再会するために旅立つ恋人愛。この感情を種の存続といった社会的解釈ではなく、「故人への愛情も存在する」といった反証から3次元を超えた概念として切り込んだのが面白いところ。

最近地上波で放送された『コンフィデンスマンJP ロマンス編』は「愛」「愛」「愛」「愛」お猿さんのように語った末にそれを捨てるといった暴挙に出ました。もはや意味が分からん。「騙し」というコンフィデンスマンJPシリーズの醍醐味をやりたかったのは分かるけれどテーマを壊ししたら余韻が残らんでしょ。終盤のちゃぶ台返しも完璧が後出しだし。ボクちゃんが「最低な人間にもやっちゃいけないことがある。愛を弄ぶことだよ」って言ってませんでしたっけ。聞いてるか制作陣営。自虐ネタか制作陣営。

話が逸れました。まあ、最近観た邦画で納得のいかない部分があったこともあって、『インターステラー』ではこのテーマがめちゃくちゃ丁寧に描写されていたなあ、と思った次第。他にもノーラン作品は「後出し」がないのも好きな一面で、『インターステラー』では5次元、重力波、ブラックホールといった概念に触れてから物語が展開されるので話についていけないこともない。「ノーラン作品は小難しい」と度々批評されるが、個人的にはめちゃ丁寧だと思う。

「相対性」という3次元のルールで時間は戻らないと序盤に説明されて、最後にそれを覆すのが「愛」ってのが痺れるね。アメリアの恋人がいるエドマンズの星は移住可能な星だった訳だし。「愛こそが全て」とは言っても、アメリアの恋人がいるエドマンズの星に最初に行っていたら結局地球人類を救うことはできないことを踏まえると、論理的であることを極端に否定していないのが良い塩梅。

他には人間とロボットの対比が興味深い。結局は裏切るのが人間で最後まで献身的であるのがロボットなんだよなあ。近年『AI暴走』等の作品もあったが、『インターステラー』で暗に示されたこの流れはとても自然。

同乗のロボットTARSは今作品のメインヒロイン。これは譲れない。多くの場面で有能なうえにクーパーが独りになった時に語りかけてくるムーブは最高。ってかお前、地球ではカタカタ歩いてた癖にミラー/マンの星ではあんな全力疾走できるのかよっ。設定が重い今作のわずかなコメディ要員でもある。それと2つめの星で解凍したマン博士。名前の通り「人間」を代表していて、個の利益を最優先する姿は本来の人間を写しているのかもしれない。宇宙ステーションとのドッキングに失敗してアームが開いたり閉じたりするシーンはシュールな笑いを誘う。もう1,2回出てきたらヤバかった。マン博士は天才なんだろ?警告音切って強行するなや。

鑑賞後、1人から「なんで『愛』だったのか」という感想が出た。確かに。感情論重視、見せたいものを見せる、魅せたいものを魅せる、それがノーラン作品だと思ってはいるが、要所要所の描写は展開任せだ。個人的には作品の世界観を描写するための科学考証は怠らないが、テーマ優先で現実に則すかどうかは取捨選択してるのかなと思っている。

『ダークナイト ライジング』はブルース・ウェインが呪縛から解放される物語であると同時にバットマンの一つの終わりを描いていた。そのため他の要素はファン向けの作品になっていて、「どうやってゴッサムに帰ってきたの?」とか「なんで最後まで肉弾戦してるの?」とか疑問に思う部分は多々あった。今作でも「ブラックホールの量子データをモールス信号で送るのにどれだけの時間がかかると思ってるの?」等といった疑問は残る。

それでも監督の拘りが見える部分は何かと楽しくて、『インターステラー』でも「時間差」の概念が出てきた。ミラーの星での1時間は地球時間での7年。これを1つ目の星に持ってくるのが前衛的。こんなん最後で使いたいやん。『インセプション』でも夢の中の時間経過が外の20倍遅いという設定があった。筆者は『インセプション』がノーラン作品で一番好きな映画なので「時間差」は大好物。明日公開される『TENET』は遂に時間を逆行させてしまうので今からワクワクしている。取り敢えず公開初日の朝にIMAX上映に凸ってきます。

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