週明け。少量の酒を口に含み、酔拳でキーボードを叩いていたころ。
静寂の中、突然背中から声が響いた。
「あたし、リスニング課題。今あなたの後ろにいるの」
ぞっとした。そんなはずはない。確か先週末に処分したはずだ。
「私、レポート課題。今貴方の後ろにいます。奇遇ですね、同業の方ですか」
気配が増える。どうやら一人ではないらしい。
二つの影は何やら談笑しだした。今しかない。すぐに逃げ切る準備をしなくては。
ピコン
通知音がなる。嫌な予感がした。
「他にも同志がいるようだ。暖かく迎え入れるとしよう」
彼らが振り返る。時間がない。
ピコン
再度通知音がなった。内容は分かっている。どうとでもなれ。そう思いながらスマホに手を伸ばした。
「ぼく、小テスト。今あなたの先を行っているよ」
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