菓子のゴミ 僕のキャンディ
「どなたか飴やガムを持っている方はいませんか」
バッグに入っていたソフトキャンディを手渡す。彼はそれを受け取り、両手を握って言った。
「今、飴と菓子の包紙を握っています。飴があるのは右手ですか、それとも左手ですか」
彼の右手を指差す。
彼は口元を綻ばせて両手を開いた。
「あなたの答えは、正解です。賞品としてどちらも差し上げましょう」
そう言って彼は手ぶらで去っていった。
アワード
今日も日常通り半無意識的に会社への道を歩いていた。
大通りから一本ずれたあたり、リポーターらしき人とカメラを持った人が立っている。
何か取材でもしているのだろうか。なるべく目を合わせないようにして通りすぎる。
「おめでとうございます!」
突然の大音量につい振り返る。
「おめでとうございます、あなたはこの道を通った〇〇人目の人です。記念のトロフィーをどうぞ」
テーマパークとかであるアレか。正直欲しいかと聞かれると微妙だが運が良いこともあるものだ。少し周りが色づいた気もしてきた。
「それでトロフィー代は〇〇円になります」
色
「僕らには個性、色がある。」
「当然集まれば色は変化する。だから何色にだってなれるんだ。」
「でも赤と青と緑だったら白になるじゃないですか、無個性になっちゃいますよ。」
「こうは考えられないか。真っ白なキャンバスには何色だって塗ることができる。無限の可能性があるんだ。」
「なるほどです。」
絵の具「どうして!」
コメント