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Roku

ダウナーなマーガリン

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最近なぜが物が手から落ちる。肉体は若者そのものだし、特に疲れているわけじゃないがなぜかつかみ損ねているのである。軽量カップにはじめ、電卓、スマホなんかはよくあるし、ついさっきは茶碗にご飯をよそおうとしたときに、茶碗から手を滑らせて非常に焦った。運良くお櫃に落ちたので、茶碗の外側にご飯粒を飾り付けただけですんだが。

どう見ても危ないぞと思いながらも、直す手間惜しさにエイっと運んでしまうときは絶対落ちるのも世の常である。横着をするのが悪いのだが、根本的にものぐさな性格であるので、ちょっと直す手間が嫌いなのである。最近は飲食店で働いていて、カトラリーを何人ぶんか細長のかごに分けて入れて、カトラリー置き場に積み上げておく作業があるのだが、積み上げるときに2列4行一気に持って並べようとして、ちゃんと全てホールドできてない感がしながらも強行し、全てぶちまけたことがある。それっきり横着は控えているので、最近はそういうミスはしなくなってきたが、ちょっとした気の緩みを虎視眈々とマーフィーは狙っているのだろう。カトラリーぶちまけてから数ヶ月たったある日、コインの数を数えるために並べたコインをまとめて掴んで入金袋に入れようとして、50円玉をぶちまけた。どちらかと言えば、起こりうる可能性がある以上起こりうるという意味合いでのマーフィーに近いが。拾い集めたコインの枚数に過不足はなかったことが不幸中の幸いである。パンは落ちたがマーガリンは守られた。

そういえば、インターステラーでもマーフィーの下りがあった。映画とかドラマとかをみているときの、嫌なことがおこる余地が存在しているけど何も起こっていない時間の嫌なことったらない。絶対悪いことが起こる流れであるのに、まだ起こらないと言う、焦らされている感というか、登場人物の誰かに気づいて欲しいというイライラ感というのが苦手である。いっそ早く起こって欲しいとさえ思っている。そういういやな時間が長い作品ほど、その余地を明示的に演出している様な気がしてならない。10代の頃はドラマやVTRのそういうシーンが嫌すぎて電源を落とすこともよくあった。

最近業務用スーパーではちみつとマーガリンのディスペンパックを買った。折り曲げるとケチャップとマスタードが一緒に出てくるアレである。ラインナップにあんことマーガリンのものもあり、朝食にでもあれば愛知県民的にもうれしい商品である。冷蔵庫に保存してあるわけだが、十分に冷えたマーガリンと蜂蜜の粘度の差はどうしても生まれてしまう。それを二つ併せて押しつぶす物だから、何が起こるかと言えば、蜂蜜だけ画流れ出てマーガリンは固まって閉じこもったままになってしまうのである。冷え冷えのマーガリンの守りはあまりに堅いので、頑張ってようやっと押し出すのに苦労する。事前にマーガリンを暖めておけばいいのだが、朝の時間というのも合ってついつい暖め損ねるのが常である。マーフィーの法則によれば、カチカチのマーガリンをひねり出すことに夢中になってマーガリンをパンの外に落とす日が来るかもしれない。たいしたことではないが、わかりきっている失敗をいつか踏み抜いてしまう世の常に気落してしまうのである。

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