もはや顕微鏡。
Sony(ソニー)の新型フルサイズミラーレス 「α7R Ⅳ」の先行展示に行ってきました。
一言で言うと 「こんなに細かく見えちゃっていいの?」
圧倒的な高解像度
α7RⅣで撮れる写真の解像度は9504×6336。APS-Cクロップでも6240×4160。前機種であるα7RⅢの7952×5304と比べてもかなり高解像度になっていることがわかります。α7Ⅲで最大6000×4000ということを考えると、APS-Cクロップですらα7Ⅲを超えています。すさまじい。
百聞は一見に如かず、ということで手持ちのα7Ⅲとの比較画像をごらんあれ!
これを拡大すると・・・・
見てください、この解像感。α7Ⅲではぼやけてしまっている造花のほつれた繊維の一本一本が、α7RⅣではくっきり見えます。また若干コントラストが増して、立体感が増しているようにも見えます。フィルターを一枚外したような感覚?
正直、無茶なクロップにも対応できるポテンシャルがあります。普段使いなら、20mmぐらいの単焦点で撮った写真を自由自在にクロップしてSNSに投稿、なんてことができてしまいそうです。
これ、マクロレンズいらないのでは?いや、マクロレンズ付けたら顕微鏡いらないのでは?と思わせてくれます。
気になった点
α7RⅣを操作していてまずはっきりと感じたのは握りやすさ。再設計されたグリップは手にすっとなじみました。自分のα7Ⅲのグリップが急に物足りなく感じるほど握りやすかったです。感覚としてはD750に近いかな?
なお、グリップの再設計に伴って縦グリップは刷新されました。これまでの縦グリップやグリップエクステンションとの互換性はないそうです。専用のグリップエクステンションは予定されていないそうですが、素の状態でもかなり握りやすくなったので、必要ないかも?
次に気づいた点はシャッター音と振動が小さくなったこと。高画素化に伴いシャッターユニットが新しくなり、ブレにくくなったようです。連射してもブレずに撮れているのはこのシャッターのおかげ。あっ、ちなみに6100万画素、かつJpeg+RAWで毎秒10枚連射できます。68枚分のバッファが搭載され、画像処理エンジン『BIONZ X』も刷新されています。てんこ盛りですね。
ちなみに6100万画素で撮ったJpegファイルは平均して30MBを超え、RAWファイルではなんと驚異の110MB越え。Raw+Jpegでバリバリ撮りたい!という人はメディアの買い替え必須です。32GBだと200枚ぐらいしか取れません。なお、2つ搭載されているSDカードスロットの両方がUHS-2対応に。これまで片方だけだったのでかなり便利になりました。買い替えるならUHS-2カードが良いでしょう。高いけど。
ファインダーも高画素化され、ライバルの『LUMIX S1R』と同等の576万ドットに。しかしあまり差を感じなかったような・・・もっと注意して見ればよかったかも。
ただでさえ高画素なα7RⅣですが、ピクセルマルチシフト機能を使えば最大2億4080万画素の画像が合成できるようです。しかしこれは静物向け。最短1秒間隔のインターバル撮影で16枚かけて合成するので最短でも16秒かかります。ブツ撮りか無風での建物写真向けとのこと。この機能はさすがに試せませんでした。
高画素がゆえの問題
先ほども触れましたが、ファイルサイズが洒落にならないレベルで大きいです。おかげで、筆者の環境(Gigabyte Aero 15×9)ではImaging Edge(Sony純正のRAW現像ソフト)でRawファイルを開こうとするとクラッシュします。また画像を圧縮しようとウェブ上の圧縮変換サイトを使おうとしても容量オーバーでアップロードできませんでした。
WordPressの画像アップロードの上限にも引っかかるし、色々取り扱いが面倒です。
現像もマシンパワーを要求してきそうですし、もし導入するなら、PC環境も変える必要が出てくるかも?
まとめ
高画素機と聞いて撮影でもたつくんじゃないだろうか、バッファが持たなそうなどと予想していましたが、使ってみると普段と変わらずに撮影できて驚きました。カジュアルに6100万画素を持ち歩ける生活を想像すると楽しみになりました。
しかし撮った後のことを考えると、少し考えものです。編集にはハイスペックなPCが要りますし、そのままの解像度でアップロードできるSNSは現状ありません。もしあなたがSNS向けの写真を撮りたい、人物写真を中心に撮りたいと考えているなら、あまり向いていないかもしれません。
しかしあなたが木の写真から拡大して葉脈が見えることに感動できたり、工場写真等で配管のボルトまで見えることにこだわりを持つ玄人ならば、α7RⅣは買いです。
α7RⅣは7月23日予約開始、9月6日発売予定、価格は40万円程度とみられています。
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