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【映画レビュー】オチありきじゃないシックス・センス

レビュー

どんでん返しの映画として度々挙げられるシックス・センス。ただ、その驚き自体は物語の中心でなく、自分が「好きな映画は?」と聞かれてこの作品を出す理由も別にある。

監督はM・ナイト・シャマラン。グロがギャグっぽかったり、如何せんB級っぽいと感じる作品が多いが、造形に拘りが強くクセがある。『ハプニング (2008)』と『オールド (2021)』面白かった。

主演はハーレイ・ジョエル・オスメントとブルース・ウィルス。ハーレイの子役としての演技にグッときたら『A.I. (2001)』をおすすめしている。ブルース・ウィルスはおそらく『ダイ・ハード』シリーズが原因ではあるけれど、血だらけで暴れまくってるイメージがあって昔は当人であることを知らなかった。

自分はシックス・センスのおかげで幽霊が怖くなくなった。

自分だけが幽霊を見えることに悩み苦しむ少年コール。精神科医のマルコムは過去に救えなかった患者とコールに似たものを感じ、彼に向き合っていく。

幽霊の造形やホラーシーンは怖いが、物語自体はコールの成長とマルコムの償いである。

本作の一番好きなポイントは、「どうして彼には幽霊が見えるのか」「幽霊はどうして彼の前に現れるのか」を扱っているところだ。

もちろん幽霊のルールとか、色への拘りとか、ミスリードを含んだ演出とかオシャレポイントも高い。それでも、幽霊の存在理由を見出したのは印象強く心に残っている。

恐怖の根源は「分からないこと」である。原因を取り除けば解決するといった論理の外にいるから恐怖を覚える。その点で『リング (1998)』や『ミスト (2007)』、同監督の『ハプニング (2008)』はめちゃくちゃ怖かった。

シックス・センスはその逆を行っている。幽霊も君に何か頼みがあって現れるのだ。自分はこれに救われて幽霊を怖くなくなった。

創作による救いは作品の主幹に依らないのだ。

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